惜しむ声の中、国連英検が44年間の歴史に幕

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日本国際連合協会は27日、国内最難関級の英語試験「国連英検」を2025年度で終了すると発表しました。少子化による受験者減や運営費増大、新体制下での事業再評価が理由です。既に全日程を終えており、目標を失った学習者の間で困惑が広がっていますが、長年の活動に感謝する声も上がっています。

国連英検の歴史

国連英検(正式名称:国際連合公用語英語検定試験)は、1981年に公益財団法人日本国際連合協会によって創設されました。単なる語学力の測定にとどまらず、国連の理念である「国際協力」や「国際理解」を普及させることを目的として約45年間にわたり実施されてきました。

試験はE級から特A級までの6段階で構成され、特に最上級の「特A級」は、時事問題や国際情勢に関する深い知識と高度な論理的思考力が求められることから、国内最高峰の難関試験として英語学習者の憧れの的となっていました。

終了となった原因

事業終了の背景には、主に3つの大きな要因があります。

  1. 持続可能性の課題: 少子化に伴う受験者数の減少に加え、昨今の物価高騰による運営費用の増大が経営を圧迫していました。
  2. 体制の変化: 2024年に長年組織を支えた前会長が死去し、新体制下で事業の再評価が行われました。
  3. 役割の完了: 時代の変化とともに、国際コミュニケーション能力を測定する他の試験が普及したこともあり、検定としての一定の役割を終えたと判断されました。

これにより、2025年度の試験(既に全日程終了)をもって、惜しまれつつもその歴史に幕を閉じることとなりました。

代わりとなる英語資格は?

国連英検のような「高い専門性」や「国際時事」を重視する学習者には、以下の試験が代替案として挙げられます。

試験名特徴
英検1級日本国内での信頼性が最も高く、社会問題に関するスピーチや読解力が問われる。
IELTS / TOEFL留学や海外移転に必須。4技能を網羅し、アカデミックな内容が中心。
ケンブリッジ英検記述式が多く、一生使える資格として国際的な評価が非常に高い。
Linguaskill Businessビジネスシーンでの実践的な英語運用能力を測定する。

国連英検の「特A級」を目指していた方には、難易度の近い英検1級や、より国際的な通用度が高いケンブリッジ英検(C2 Proficiency)への挑戦がおすすめです。

まとめ

40年以上の歴史を持ち、多くの国際人を輩出してきた国連英検の終了は、日本の英語教育界にとって大きな転換点となります。突然の発表にショックを受ける受験者も多いですが、国連英検で培った「世界情勢を英語で理解する力」は、資格の有無にかかわらず一生の財産です。今後は、自分の目的に合った新しい目標(英検1級やIELTSなど)を見つけ、学びの歩みを止めないことが大切です。

参考:全国通訳案内士試験について

全国通訳案内士は日本で唯一の語学の国家資格です。

国連英検とは用途が違いますが、こちらもご紹介しておきます。

ただし、試験の方向性が「世界(国連)」から「日本(観光・文化)」へと大きくシフトするため、以下の違いを理解しておく必要があります。

国連英検と全国通訳案内士の比較

比較項目国連英検(特A級)全国通訳案内士(英語)
主なテーマ世界情勢・国際平和・人権日本の歴史・地理・文化・観光
試験の性格民間資格(最高峰の語学証明)国家資格(業務独占ではなく名称独占)
難易度国内最難関(英検1級超え)語学力は英検1級〜準1級相当+高い日本知識
時事問題国連に関連する国際的なニュース日本の産業・経済・政治などの一般常識

全国通訳案内士を「代わり」にするメリット

  • 唯一無二の語学系国家資格: 語学資格として日本で唯一の国家資格であるため、履歴書やキャリアにおける信頼性は非常に高いです。
  • 「発信力」が鍛えられる: 国連英検が「世界の問題を議論する力」を問うのに対し、案内士は「日本の魅力を英語で論理的に説明する力」を問います。アウトプットの質の高さという点では共通しています。
  • 免除制度の活用: もし既に英検1級をお持ちであれば、全国通訳案内士試験の「英語筆記試験」が免除されます。

注意すべきポイント

国連英検は「国連憲章」や「世界の紛争解決」といったグローバルな視点が主役でしたが、全国通訳案内士はあくまで「日本を訪れる外国人のためのガイド」としての知識(神社仏閣、日本の歴史、観光白書など)がメインとなります。

「国際政治を英語で極めたい」という純粋なニーズに対しては、やや毛色が異なるかもしれません。


結論:どんな人におすすめ?

  • 「日本を代表する最高峰の資格に挑戦したい」という意欲があるなら、非常に適しています。
  • 「英語だけでなく、社会・地理・歴史などの教養も深めたい」という方には、国連英検以上のやりがいがあるはずです。

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