現在、居酒屋の倒産が過去最多ペースで急増している一方で、ワタミやコロワイド、鳥貴族などの外食大手は最高益を更新・更新見込みとなっており、業界内で極端な二極化が進んでいます。原材料費や人件費の上昇が重荷であることは確かですが、この現状は単純な「居酒屋不況」や業態そのものの衰退ではなく、競争と経営における「勝ち方の変化」が本質にあります。
居酒屋が苦戦する理由
原材料費の高騰や人件費の上昇といったコスト面の負担に加え、これに伴う宴会・飲み放題などの価格上昇が客離れを誘発していることが挙げられます。しかし、苦戦の本質はそれだけではなく、市場の高度化(DXやデータ活用)や顧客ニーズの変化に対応しきれず、「利益を生む仕組み」を作れていないことが大きな要因です。
消費者のニーズは「総合力」から「専門性」へ
かつて主流だった「何でもある総合居酒屋」の時代は終わり、現在は明確な来店理由を持つ店に客が集中しています。鳥貴族や串カツ田中のように、「これを食べに行く」という独自の強みや特定の専門性、尖った魅力を持つ業態が、現代の消費者に選ばれる前提となっています。
第4世代の居酒屋とは?
「食事そのものの味や満腹感」よりも、「誰と、どんな時間を過ごすか」という体験価値に重きを置いた新しいスタイルの居酒屋です。圧倒的な安さを備えているだけでなく、思わずSNSで共有したくなるような空間や体験、エモーショナルな価値を提供することで、現代の若い世代を中心に存在感を高めています。
モバイルオーダーが主流となってきた
現代の店づくりにおいて、キャッシュレス決済や予約管理と並び、モバイルオーダーを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は欠かせないものとなっています。大手はこのシステムを通じて顧客データを蓄積し、最適なメニューの組み替え、効率的な人員配置、徹底した原価管理に活かすことで、利益を最大化させています。
個人居酒屋が生き残るには?
中小・個人店は限られた資金を人への投資に回しがちで、DX投資が後回しになりがちです。また、システムをただ導入するだけでは手数料等の「見えないコスト」に利益を削られてしまいます。生き残るためには、日々の営業に追われるだけでなく、導入したシステムから得られるデータを基に、価格設定やメニュー、集客導線を泥臭く見直し続ける「仕組みづくり」への意識改革が必要です。
まとめ
現在の居酒屋業界で起きている倒産急増と大手最高益という「二極化」は、業界そのものの衰退ではなく、競争と経営の勝ち方が高度化したことによる「厳しい選別」です。専門性や体験価値といった客を惹きつける魅力と、DXデータを活用した効率的な利益管理の両立が、現代の居酒屋経営における絶対条件となっています。


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