南鳥島沖からの揚泥作業成功、レアアース国産化に向けて今後の展望は?

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南鳥島沖の海底6000mから、世界で初めてレアアース泥の回収に成功しました。高度なパイプ接続技術による大きな一歩ですが、国内生産にはプラント建設や不純物除去など10年以上の歳月を要する見込みです。中国1強の市場に対し、コスト面や精錬技術の確立が今後の大きな課題となります。

今後はどんな工程になるのか?

今回の成功はあくまで「揚泥(泥を引き上げること)」の技術実証であり、研究の第一歩に過ぎません。今後は、引き上げた大量の泥から不純物を取り除き、有用な成分だけを抽出する「精錬」のプロセスを確立させる必要があります。これには大規模な処理プラントの建設が必要不可欠であり、東京大学の岡部教授は、安定的な国内生産体制が整うまでには「10年以上」の歳月を要するという見通しを示しています。

採算性を危惧する声もある

深海6000mからの引き上げには莫大なコストがかかるため、経済的な自立が大きな壁となります。現在、世界の精錬シェアの約9割を占める中国は、環境負荷へのコストを抑えることで圧倒的な低価格を実現し、市場を独占しています。日本が自国生産に踏み切る場合、「安価な中国産」や「他国からの輸入」と比較して、いかにコスト競争力を持たせるか、あるいは高コストを許容してでも国産を維持するかが問われています。

レアアースを自国で生産できることでのメリット

最大のメリットは、日本のハイテク産業に不可欠な資源を自国でコントロールできる「経済安全保障」の強化です。現在、日本はレアアースの約7割を中国からの輸入に頼っており、地政学的なリスクによって供給が途絶える懸念が常にあります。南鳥島には世界第3位規模の埋蔵量があるとされており、自国生産が可能になれば、国際情勢に左右されない安定したサプライチェーンの構築が可能になります。

まとめ

世界初となる深海底からのレアアース泥回収成功は、日本の資源自給率向上に向けた歴史的な快挙です。しかし、実用化に向けては「10年以上の開発期間」や「コスト面の課題」といった厳しい現実も控えています。この「研究の第一歩」を、単なる技術実証で終わらせず、産業としての採算性をどう確保していくかが、将来の日本経済を支える鍵となるでしょう。

参考:【比較表】レアアースの世界シェアと日本のポテンシャル

項目1位2位3位日本(南鳥島)
埋蔵量中国 (48.9%)ブラジル (23.3%)インド (7.7%)世界3位規模 (1600万t以上)
生産量中国 (69.2%)アメリカ (11.5%)ミャンマー (7.9%)0% (現在研究・実証段階)
精錬シェア中国 (91.0%)マレーシア (4.0%)ベトナム (1.0%)極めて低い (今後の課題)

※出典:USGS / IEA(2025年データ)、記事内引用データに基づく。

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