厚労省は6日、iPS細胞を用いた世界初の再生医療製品2種を条件付きで承認しました。対象は重症心不全向けの「リハート」と、パーキンソン病向けの「アムシェプリ」です。保険適用の審議を経て、夏以降に実用化される見通しです。今後7年以内に有効性を改めて示し、本承認を目指します。
iPS細胞とは
「体のあらゆる細胞に変化できる」能力を持った万能細胞です。 2006年に京都大学の山中伸弥教授らによって開発されました。皮膚や血液などの身近な細胞に特定の遺伝子を導入することで、受精卵に近い状態に「初期化」したものです。最大の特徴は、心臓の筋肉や神経、目の網膜など、目的の細胞を自在に作り出せる点にあります。
今後iPS細胞が活用される分野とは
今回承認された心不全(リハート)やパーキンソン病(アムシェプリ)以外にも、多岐にわたる分野での活用が期待されています。
- 眼疾患: 加齢黄斑変性など、視力に関わる網膜の再生。
- 脊髄損傷: 損傷した神経を再生させ、運動機能の回復を目指す。
- 血液疾患: 血小板や赤血球を輸血用に大量作製する研究。
- 新薬開発: 患者の細胞から作ったiPS細胞に薬を投与し、人体を使わずに効果や副作用を確認する「創薬」への応用。
気になる金額は?
現時点では正確な価格(薬価)は決まっていませんが、1千万〜数千万円単位の高額になることが予想されます。 しかし、今回の製品は公的保険適用のための審議が行われる予定です。承認・保険適用されれば、患者さんの自己負担額には「高額療養費制度」が適用されるため、収入に応じた一定の月額負担に抑えられる見込みです。
まとめ
iPS細胞の発見から約20年。ついに「研究」の段階から、実際の「治療製品」として世界で初めて認められる大きな一歩を踏み出しました。 まずは重症心不全とパーキンソン病の患者さんを対象に夏以降から開始されますが、今後7年間の調査を経て、より多くの人が安心して受けられる「本承認」を目指していくことになります。


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