日本では商業捕鯨の再開や新母船の就航により、鯨肉供給の再構築が進んでいます。鯨肉は高タンパク・低脂質で栄養価が高く、飼料不要な天然資源として効率性も優秀です。一方、食の空白期間による若者の鯨離れや国際的な批判も根強く、資源管理と食文化の継承をいかに両立させるかが課題です。
捕鯨文化の衰退と復活
縄文時代から続く日本の鯨食文化は、戦後の深刻な食糧難において貴重なタンパク源として国民を支えました。しかし、1987年の商業捕鯨停止により、鯨肉は食卓から急速に姿を消し、文化の断絶が起こりました。 現在、2019年の国際捕鯨委員会(IWC)脱退を経て、日本は再び自国の排他的経済水域(EEZ)内での商業捕鯨を推進しています。2024年には最新鋭の捕鯨母船「関鯨丸」が就航するなど、供給体制の再構築が進んでいますが、鯨を口にしたことがない若い世代へいかに文化を繋ぐかが復活の鍵となっています。
日本はいつ捕鯨を再開したのか?
日本が商業捕鯨を正式に再開したのは2019年7月です。それまでは国際捕鯨委員会(IWC)に加盟し、調査目的の「調査捕鯨」に限定して活動してきましたが、持続的な利用を目指す日本と保護を優先する国々との対立が深まり、IWCを脱退しました。 再開後は、科学的根拠に基づいた捕獲枠の中で運営されており、2024年には約50年ぶりにナガスクジラが捕獲対象に加わるなど、資源管理と産業振興の両立に向けた新たな局面を迎えています。
昭和の人には懐かしい?給食にも出ていたクジラ料理
昭和30年代から40年代にかけて、鯨肉は安価で栄養豊富な食材として、学校給食の定番メニューでした。特に人気のあった「鯨の竜田揚げ」は、生姜醤油で下味をつけた肉を揚げたもので、当時の子供たちにとっては数少ない「肉のごちそう」でした。 他にも、大和煮(甘辛い煮物)や、尾の身のお刺身、調査捕鯨時代によく見られた「ベーコン」など、調理法は多岐にわたります。こうした懐かしの味を知る世代に対し、現代では高タンパク・低脂質な「ヘルシー食材」としての価値が再注目されています。
まとめ
日本の鯨食文化は、国際的な批判や食習慣の変化という荒波の中にあります。しかし、飼料を必要としない天然の海洋資源としての効率性や、優れた栄養価は、食料安全保障の観点からも大きな可能性を秘めています。 単に「伝統を守る」だけでなく、国際社会への説明責任を果たしつつ、いかに現代のニーズに合った形で次の世代へ届けていくかが、今後の鯨食復活の分岐点となるでしょう。
参考:昭和キッズたちを虜にした給食「オーロラ鯨」レシピ
1. 下準備(臭み取りがポイント)
- 鯨の赤身肉を一口大のサイコロ状(または薄切り)に切ります。
- 生姜汁、醤油、酒に30分ほど漬け込みます。これで鯨特有のクセを抑えます。
2. 揚げる
- 汁気を切った鯨肉に片栗粉をしっかりまぶします。
- 180℃の油でカラッと揚げて、「鯨の竜田揚げ」を作ります。
3. オーロラソースを作る
フライパンで以下の調味料を合わせ、ひと煮立ちさせます。
- ケチャップ(ベース)
- ウスターソース(または中濃ソース)
- 砂糖(甘めに仕上げるのが給食流)
- みりん・酒
- (隠し味に)赤味噌を加える地域もあります
4. 仕上げ
- 揚げたての鯨肉をソースの入ったフライパンに入れ、手早く全体に絡めます。
- 仕上げに白いりごまをたっぷり振れば完成です!


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